みなさま、こんにちは!
弁護士辻の「あっと驚く体験」第2弾です。
5月17日のお昼頃、フジテレビの「めざまし8」のスタッフさんから、突然電話が入りました。
「誤振込事件に関する研究論文を読んだ。明日の番組では、山口県阿武町で起きた4630万円の誤振込事件に関連して、身近に起こる誤振込問題をとりあげ、誤って振り込んだお金を取り戻すことがいかに大変かということを、具体的事例をあげて説明する。
事務所名も弁護士名も出ないが、論文の事例を使わせてもらって良いか。」
私の担当した事件がテレビで取り上げられるなんてステキ!
・・・と思って、すぐに承諾しました。
「めざまし8」は、月~金の朝8時から、あの谷原章介さんがメインキャスターを務める報道・情報番組です。
論文とは、私が山梨学院法科大学院のロージャーナルに掲載したもの↓です。
https://ygu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3725&item_no=1&page_id=4&block_id=82
夕方から夜中にかけて何回か電話でうち合わせをし、論文の事例を説明し、回収に要した費用や、時効の問題もお話しました。
翌日水曜日の「めざまし8」、8時55分頃から、「Top news わかるまで解説」「誤送金トラブル~お金戻る?~身近でも多発」というコーナーで、「返金困難~誤送金②」、「相手方が“行方不明”」の例として、論文の事例が紹介されました。
イラスト入りのパネルも作られ、電話をする女性弁護士として私も登場。「振り込め詐欺でしょ!」と振込先の奥さんから怒鳴られていました。
これにて、「めざまし8」の誤振込の飛び込み案件は無事終了・・・の、はずだったのですが・・・水曜日の夕方、「めざまし8」の別のスタッフさんから電話。
「明日の番組でも、誤送金問題を取り上げる、今回は事件本体の方、お金を取り戻す方法、裁判、返済可能性など、法律面の話を聞きたい。明日朝8時からの番組に生出演していただくことは可能か?」
テレビ出演なんて絶対に無理だ・・・と思いながらも、
「はい、大丈夫です。」と答えてしまいました。
その夜のうち合わせは、誤送金された4630万円の回収方法、回収可能性について。途中で、「24歳の男が逮捕された」との速報が入り、急遽、刑事問題に切り替えてさらにうち合わせ。
木曜日の午前1時頃までやりとりして、3時間ほど寝て、6時に迎えのタクシーが来て、フジテレビに向かいました。
6時半頃、フジテレビの玄関にて受付。
入館証をもらいました。飛行機の電子チケットみたい。
QRコードをかざして先に進むと、私専用の出演者控え室が。
この部屋、テレビ局ではタレントクロークなどとハイカラの呼び方でしたが、なぜか和室。
ここで、スタッフさんと簡単なうち合わせ。
- タイムスケジュール 04時39分08秒印刷
- スタジオ台本 5時版
- パネル 6時版
- マルチフリップ 7時版
の4つの書類を渡され、
「7時に美容室に行ってください、その後、
辻さんの出番の直前に呼びにきますので、それまでここでお待ちください。」
と言われて、一人放置。
事前のスタジオ入りも、挨拶も、リハーサルも一切なし!
私、大丈夫かしら。
美容室で30分位かけて、テレビ用のヘアメイクをしてもらいました。
8時少し過ぎたところで、呼ばれて、本番中のスタジオのパネルの外で待機。
警察署前からの中継が流れている間に、誘導されて、自分の立ち位置に。本番中のスタジオの中を機材のケーブルを踏まないように気をつけながら歩いて、台本とペンをテーブルに置いて、スタンバイ。
立って一呼吸したところで、すぐにスタジオにカメラが切り替わり、永島アナウンサー、谷原さん、私の3人の立ち姿がモニターに映し出され、私が紹介されてアップに。
あれが、私? ちょっとクビが右に傾いてる、まっすぐ正面に直さなくちゃ、でもモニターは鏡とちがう、鏡のつもりで直したら、ますます傾いてしまう、ええい、仕方ない、そのままで行こう・・・ご挨拶しながら、こんなことを考えてました。
全部で、15分くらいスタジオに立っていたでしょうか。
谷原さんからは、台本にないこといきなり聞かれるし、
台本にあることは聞かれずじまいだし、
結局、憧れの谷原さんとお話できたのは、スタジオ内、本番中だけ
・・・でも、大きな失敗はしなくて、よかったあ。
40年以上弁護士をやっていますが、こんなにドキドキしたのは初めてです。
火曜日お昼前の電話から始まって木曜日の午前中まで、昼間は弁護士業務、会社の仕事を普通にこなして、夜中と早朝はテレビの仕事、怒濤の48時間でした。
ホントに、人生何が起こるかわからない!
【投稿者:辻 千晶】